京都ほっとはあとセンター事務局長 出口龍 氏

【京都ほっとはあとセンター事務局長 出口龍 氏へのインタビュー】

Q1ほっとはあとセンターではどのような役割・業務を担っておられますか?

 当センターの主な役割は、企業、行政等や消費者と福祉施設との間に入り、両者を円滑に繋げる中間支援団体という役割です。
 企業様も就労支援施設も、お互いを知らないことがあり、意思疎通等なかなか思うようにいかないことが多いと思います。両者を知っている私たちが間に入って商談の支援をしています。また、単独施設だけでは一般消費者へ販売するにもルートが限られてしまいますので、「ハートプラザKYOTO三条」等の店舗を立ち上げ、販売機会を設けて支援をしています。

Q2「ほっとはあと」という名称に決まったいきさつを教えていただきたいです。

 ほっとはあと言う名称は、公募で決まりました。それまでは「京都授産振興センター」という名称でした。その由来は、障害のある方が作られたものを「授産品」と名称づけられていたことでしたが、この名称が古めかしいということで新しい名称を募集したところ、全国から多くの御応募をいただき、その中から選びだされたものが「ほっとはあと」で、2007年(平成19)に決まりました。それ以降、京都府内では授産品については「ほっとはあと製品」という呼称を使うようになりました。

Q3就労継続支援B型事業所等で働く障害のある方の工賃向上に向けて、ほっとはあとセンターではどのような取組等をされていますか?

 具体的には企業様からお仕事をいただいたものをほっとはあとセンターが仲介して就労継続支援B型事業所等にお渡しをして、依頼を受けた施設が仕事を完成させ納品することで、工賃確保或いは向上に繋がります。また、ほっとはあとセンターでは障害のある方が作られた製品等の販売促進も行っています。作るだけではなく製品を売らないことには工賃向上に繋がりません。販売ノウハウを持たれていない福祉施設が販売すると100個しか売れなかったものが、ほっとはあとセンターが販売ノウハウを伝えてサポートすることで、200個以上売れることもあります。
 例えば、福祉施設から「安いけど、どう思う?」「高いから売れないのかな?」等という相談が入ればパッケージデザインや、販売方法、販売価格のアドバイスをします。その他にも、ほっとはあと製品の製作・販売名地についてお困り事がありましたら、ぜひほっとはあとセンターに御相談いただければと思います。

 そのような販売促進の取組をした甲斐もあり、昨今では訪日外国人のインバウンドの恩恵を受け、「ハートプラザKYOTO三条」等の店舗売上額は年々向上しています。国内外から観光に来られた方には「メイド・イン・キョウト」というブランド力だけで、人気があります。
 また、ほっとはあとセンターでは「喫茶ほっとはあと」というカフェの運営もしています。カフェで働いている方は、お客様との交流が好きという障害のある方たちが働いています。カフェ業務の担当は「レジ」「洗い場」「ドリンク」「フード」の4つに分かれています。どの担当も難しいですが、特に難しいのが、火や包丁を扱う「フード」担当です。そのため、「フード」を担当される方は火や包丁の扱いに慣れている一部の方となります。一方、「ドリンク」や「レジ」については全員が行います。「洗い場」は洗剤を扱うため、肌が弱いため対応できない方もおられます。私個人の思いとしましては、カフェで働く障害のある方に「フード」の経験をどんどん積んでもらいたいです。カフェで働く障害のある方とお話しをさせていただくと、以前は調理関係で働いていた方、あるいは自宅で食材を切る練習をしている方もおられ、向上心がたっぷりあります。誰もが失敗やケガすることを怖いと感じ臆病になりがちですが、失敗を恐れず、やりたいことの力を伸ばせる後押しができればなと思います。

Q4ほっとはあとセンターがこれからやってみたい、または最近始めた事業はございますか?

 ほっとはあとセンターの事業目的とその目的達成にためにする事業は定款でしっかりと決められていますので、これらの基本的事業をより大きく伸ばしながら、長期的な視点を持って、「真に事業所さんへ寄り添って、頼りにされ、力になれる」事業体になるよう、これからも事業に取組んでいきます。

Q5事業を進める中で、京都府全域の就労支援事業所と連携を取ることは難しかったと思います。苦労した点や工夫されたことをお聞かせください。

 京都府北部・南部の福祉施設との連携に苦心しています。なぜなら京都市内に発注企業も就労支援事業所も集中しているため、京都市内で完結する仕事の数が偏りがちになるためです。
 しかし、地域ごとの格差を減らすため、地域別にブロックを設けて活動しています。ブロック活動とは、京都府を丹後・中丹・南丹・京都市内・乙訓・山城北・山城南の地域に分け、各ブロック圏域での活動を重点的に独自に行うことです。ほっとはあとセンターも現地へ出向いて北部や南部の就労支援事業所との連絡を密に行い、手助けさせてもらっています。

Q6それでは最後に、就労支援事業所の皆様に向けてエールを一言お願いします!

 福祉的就労の充実を目指されるか、一般就労を目指されるか、どちらを選択されるかは利用者ご本人の意思で、どちらが正解だということはない筈です。私たち支援者は、利用者の方の可能性を伸ばしてその方の人生がより豊かになり、幸せにつながれば、それが私たちの働き甲斐というものでしょうね。そんな心を一つに、センターは就労支援事業所の皆さんと頑張っていきます。