京和ドライ株式会社 代表取締役 村上壽一さん


障害者雇用のきっかけを教えてください。

同業で障害のある方を雇用されている会社があり,興味はありました。
鳴滝総合支援学校にリネン科が創設されたのをきっかけに,会社から学校へ見学に行き,実習を受け入れるようになったのが始まりです。

採用の決め手は何ですか?
Nくんは数名来てくれた実習生の中で一番数多く実習に来られました。
仕事に興味を持ってくれたことと,物覚えがよかったこと,真面目にコツコツと働く姿を見て彼を雇用しようと思いました。
また,彼は在学中にクリーニング師の資格も取得されていたので,安心でした。

初めての障害者の雇用で配慮が必要だった点はどんなことですか?
これといった配慮はしていないのです。最初は声かけ等多少気配りはしましたが,今は他の社員と何も変わらず接しています。最近では,戦力となってくれています。

困った時の相談機関はどこですか?
働き始めた頃,学校の先生が頻繁に会社を訪問して下さり,会社や本人の話を聞いて下さったことはとても有難かったです。彼も先生が来るとほっとしたようです。今は特に問題がないので相談していません。障害のある方への対応については,障害者雇用の経験のある会社に質問し,アドバイスをいただくこともあります。

障害のある方を雇用して変化はありますか?
彼がこんなに頑張っているのだから自分も頑張らなければと,私も周りの社員も感じています。
彼は仕事に集中する力がありますね。皆も影響を受けていると思います。

今後彼に臨むことは
これから少しずつ腕を磨いていって欲しいと思います。着物の世界は奥が深いので,たくさん勉強して欲しいですね。腕を磨く中で彼がどのようなことを思ったり悩んだりしていくかが楽しみです。
障害のある方を雇用した以上,彼が頑張ってくれる限りは,ずっと彼を家族の一員のような気持ちで育てていきたいと思っています。
新入社員が入ったら,今度は彼が教える番です。後輩に仕事を伝えて,今度は彼がまた新たな技術を身に付けてくれることを期待しています。
(写真=先代の代表取締役 村上 育士郎さん)