洛和ヴィラ桃山 施設長 西谷 良範さん

企業の概要  介護老人福祉施設 洛和ヴィラ桃山西谷良範さん
(居宅介護支援事業所・訪問介護・訪問看護・デイサービス・障害者支援施設)

従業員数   110名(パートタイマー含む)
うち障害者 2名雇用(知的障害・パートタイマー)
総合支援学校の実習を経て採用(平成20年4月から1名 平成21年4月から1名)

採用のきっかけを教えてください
鳴滝総合支援学校へ見学のため訪問した際に,「生活産業科」がクリーニング・清掃・ホームヘルパーに力を入れておられるのを知り,当施設の業務に近い訓練をされているので実習を受け入れてみようということになりました。
最初からの雇用にはとまどいがありましたので,数回に分けて実習に来ていただく中で,この方達なら続けて働いてもらえると思ったので,採用しました。

仕事を教える上で配慮が必要だったことはどのようなことですか?
ご本人達は頑張り屋さんで弱音をはきませんので,職場だけでは精神的肉体的な疲労度等がわかりにくい部分がありました。採用する時からご家族の方と面談し,何かあった際には双方が気楽に相談できる関係作りを努めてきています。家族との交流があることが,障害のある方の雇用にはとても大切だと感じています。
欠勤されたり,帰宅後の疲労感が強い時には,ご家族と相談し,勤務時間の調整を行ったこともあります。長く働いていただくためには,細かな連絡や相談をこれからも行っていきたいと考えています。また仕事が上達された時は,ご家族にも報告しています。ご家族からも褒められることで,ご本人の仕事への意欲が向上しているようです。業務上健康チェックも大切ですので,病気で欠席された際にもご家族に様子を伺い,アドバイスをしています。

指導に際して担当者を作られましたか?
家族や学校との連絡や,ご本人からの相談を受ける担当者を作り,体調管理や業務管理等しっかりとフォローしています。

採用の際に利用した機関はありますか?
採用時に職業相談室に関わっていただきましたが,特にトライアルなどの助成金やジョブコーチ制度の活用はしていません。実習にて採用できる自信はありましたし,学校の進路担当の先生が頻繁に連絡をとって下さっていますし,特に問題もありませんので,相談の必要はない状態です。

支援者に一言どうぞ
当事業所の仕事は利用者様に接する仕事ですので,臨機応変な対応や忍耐力を要したりする場面もでてきます。誰でもができる仕事ではありませんので,適性を見極めて介護の仕事を選んでいただけたらと思います。また,ヘルパー2級以上の資格を取得されている方は,実習等も経験されているので,採用の可能性は高くなると思われます。資格の取得が強みになりますので,訓練中にヘルパー資格を取得されるのもおすすめします。

雇用をためらっている企業に一言どうぞ
当事業所でも複雑な仕事から簡単な仕事まで,色々な業務があります。対人援助などの難しい仕事は最初からはお願いしにくいですが,職員の業務を細分化したら障害のある方が働くことのできる仕事が集まるかもしれません。無理にその方に合わせた仕事を探すのではなく,適材適所でうまくその方に合えば採用してみるという「自然体」で雇用を考えてみられてはいかがでしょうか。
例えば女性の職員なら育児に伴う時間的な配慮が必要なように,障害のある方にはその特性への配慮が必要であるという「助け合う気持ち」が大切だと思います。業務や時間の分担をうまくすれば,今まで職員がしていた業務が減り,その分質の良い介護サービスを利用者様に提供できることができます。
一度学校に見学に行かれると,具体的なイメージがつかめて良いと思います。

その他障害者の雇用で感じるところ
支援学校の先生からは『労働に対してお給料がもらえるのだから仕事をする以上甘やかさずに厳しく仕事に対して要求して下さい』と言われています。初めはとまどいましたが,できる仕事に対してはきっちりと責任を持って働いていただくことはどの社員も同じですし,そうすることで長く働いていただけると思っています。無理のない範囲でスキルアップしていただけるよう指導していきたいと思います。