京都市宇多野ユースホステル 古見美男氏

企業の概要  青少年育成・宿泊業務
従業員数     30名
そのうち障害者   1名

採用のきっかけ
総合支援学校とは近隣ということもあり,長年実習を受け入れてきました。今回は先生から雇用の御相談を受け,実習で頑張っていたI君を採用することになりました。

仕事を教える上で配慮が必要だったことはありますか?
口頭の指示だけではなかなか覚えることはできませんでした。初めは私に同行し,作業の仕方を実際に見てもらいながら覚えていきました。今では殆どのメンテナンス業務を安心して任せています。最近は業務に対して意見も言ってくれ,頼もしい存在です。

障害のある方に指導するのに担当者を作りましたか?
私が専属で教えていきました。他のパートタイマーの方の仕事も私が管理・指示しています。
仕事は朝に分担を決めます。仕事のスピードを見計らって,途中で私が調整し,指示します。指示体系がシンプルなので,彼にとっては働きやすい職場ではないでしょうか。

採用の際に利用した機関や制度はありますか?(ジョブコーチ・特開金・トライアル雇用など)
ハローワークにて求人をしました。

採用してから会議などはしましたか?
日々の作業終了後,30分間清掃スタッフ全員で,その日の振り返りを行っています。会議という堅苦しい場ではなく,普段の会話の中で必要なことを伝えています。

雇用をためらっている企業に一言どうぞ
障害のある方を受け入れるのは,正直最初は大変だと思います。ただ,職場に良い影響も与えてくれます。
彼の良い所は,時間に遅れないこと・ほとんど欠勤をしない所です。これは働く上で一番大切です。また,外国人のスタッフやお客様と話すことができるように,自主的に早めに出勤し,英語などの語学を勉強しています。最近では,簡単な会話ならお客様とも話せるようになりましたね。そういった前向きで真面目な態度に触れ,職場が和むことがよくあり,スタッフは彼から良い刺激を受けていると思います。

その他障害者の雇用で感じるところ
ユースホステルは青少年の育成,つまり人を育てる場ですので,『育てる』という意味では,障害のある若い方を育てることも含まれており,社会的な責任も担っていると思います。
障害のある方があたりまえに働ける社会になればと,願っています。